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今年は何名の方に「晴れて良かったですね」とお声を掛けていただいたことでしょう。5年目にして漸く開催日両日が晴れるという奇跡に遭遇した今年の「灯しびとの集い」は、参加した全ての皆さんの願いが叶ったのに違いありません。もはやそれは、作家さんたちのあいだでは定説となりかけていた「灯しびとの二日目の雨」が払拭できた気さえしています。諸般の事情で開催日を10月の最終週の週末から11月中旬へ移したことが功を成したのかもしれません。ちなみに今年の10月26日27日の堺市には雨は降りませんでした。
さて、このところ新聞やテレビなどを賑わせている「食品の偽造問題」ですが、今のドサクサのうちに白状しておこうと次から次へと出てくる、消費者を欺く行為。儲けのためなら人の健康を害しても心が咎めないという輩が後を絶たない現実は、本当に悲惨としか言いようがないです。本当の意味での、丹精を込めた手づくりの普及を唱える立場から見れば、最も身近で日常的な食べ物を「作る」作業が、見栄えだけを装う作業となってしまっているとしか言えません。作る者としての誇りや受け取る側へ対しての配慮が完全に欠落してしまっている現実は、人が健康に暮らしていくというもっとも原始的で本能的な欲求さえも不可能なものとしてしまうのではないか、と危惧します。 一方、そんな人の価値観を狂わせてしまうような経済の磁場から抜け出し、人の健康を中心に暮らすことを求める人も多くなってきているようにも感じます。食品の問題はより直接的ですが、物も人が健康に暮らしていくためには大いに影響していると言って良いと考えます。与えられる、あるいは直ぐに簡単に手が届くから、という理由だけで物を選ぶのではなく、本当に欲しいと思う物を、自分の意思で選択したいと思っている人が増えています。自分の好きな物が暮らしのなかにあり、それらは日々の営みのなかの簡単な作業にも寄り添ってくれるでしょう。そんな時に感じる、微かではあるかもしれないけど、小さな喜びは、大きな精神的な健康を導いているように思えます。これまで「物」は他とのコミュニケーションツールとしての存在が強くあったように思います。勿論今もその役割は否定できません。しかし、これからの人と物との関係は更にプライベートなものとなっていくのではないかと感じています。即ち、もっと自分のための物を選ぶという人が増える気配を感じています。きっと「灯しびとの集い」にはそんな人たちが訪れてくれているのだと思います。そしてその数も年々増加しています。ありがたいことに今年の来場者数は23,000人と昨年から15%の増加となりました。これは本当に嬉しいことであり、実行委員会の推進力となっていることは明らかです。ボランティアで運営する私たちにとって、会の趣旨を理解して、会場に足を運んでくださる方が増えるということは何よりのインセンティブであり、次への力の源となります。ただし、数字に一喜一憂するのではなく、その内容を良く注視して公平に、且つ健康的な人の豊かな暮らし、を実現するお手伝いをする。そんな実行委員会であり続けたいと思っています。少なくともある種の商行為を助長するような活動ではなく、好ましい人と物との関係を提唱していると確信しつつ、これからも粛々と会が運営されていくことを願っています。 「灯しびとの集い」に応募してくださった500名以上の皆さん、そして実際に出展、出店してくださった作家の方々や飲食関係の皆さん、ボランティアスタッフの皆さん、有形無形でのご支援、ご協力をいただいた皆さま、お疲れさまでした。そして心よりお礼申し上げます。本当にありがとうございました。 来年も大仙公園で皆さまとお会いできることを今から楽しみにしています! 灯しびとの集い実行委員会 会長 辻野 剛 ■
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by tomoshibito
| 2013-11-19 17:46
| ごあいさつ
灯しびとの集いに出展された作家の皆さん、飲食の出品で参加された方々、そしてボランティアの皆さん本当にお疲れさまでした。
今回の来場者数は延べで約18,000人程だと思われます。これは、本当に恵まれたことだと感謝しています。 長かった準備期間も、実際のイベントが終わってみれば、爽やかに吹き抜けた一陣の風のようにさえ感じられました。そのくらいに会場での一瞬一瞬が、濃密でリアリティーに溢れていたように思います。 これまでに書かれた沢山の計画書やプリントアウトされた多くの画像。それらが目の前で少しづつ形ある人やモノに置き換えられていきました。開場して暫くして、その有り様を漫然と眺めながめる瞬間がありました。 このイベントには合格点も、合否を決める人もいません。しかし同じように会場に集まる人たちを眺める実行委員の表情を見ていると、皆一様に満たされた笑顔をたたえていたことが、成功を表しているのだと思いました。 また心なしか、ボランティアスタッフたちが誇らしげに見えたことも納得がいきました。 多くの作家は普段は孤独に素材に向き合い、モノとの対話を重ねて来ています。作品と、そのひだに閉じ込められた様々な物語と、それを語る作家の人となりが使い手という人を呼び、そして繋がり、コミュニケーションが生まれる場。そんなイメージが現実に展開されたことは単純に、でもものすごく嬉しいことでした。当初の目的である、このイベントに関わる全ての人が幸せになれること、即ち「また参加したい」と思えること。が実現できたかどうかは来年まで知る術もありませんが、是非ともそうあって欲しいと願います。 会期初日の晴々した気持ちとは対象に、2日目の午後は予報を裏切らず雨。どんどんと強まる雨脚は、イベントの終了時間を切り上げざるを得ないほどにまで達し、結局作家たちは大慌てで撤収。風のように会場から去って行きました。出来ればもう少しゆっくりと皆さんとのお別れの挨拶をしたかったです。しかし出展作家たちや、遅くに来られたお客さまには申し訳ないのですが、実行委員やボランティアスタッフにとってはより結束を強めた「良い雨」だったように思います。この雨は今後継続的に行われるイベントに対する私たちへの激励の雨だと思っています。一回のイベントを成功させることは勿論のこと、しかしそれは本当の目標ではありません。充実したイベントを継続的に行うことで生まれる価値観。そして、それを共有し、それを育み、やがては暮らしの中に彩りとなる手作りのモノたちが、小さな灯りを燈すようになる。そんな様子が特別なことではなくなる。それが「灯しびとの集い」の主旨だと感じています。 これから先、何回このイベントを続けることが出来るのかは分りませんが、出来る限り長く続けて行きたいと思っています。ですから今回のイベントは、長い長いプロジェクトの入口を潜ったに過ぎません。 今回様々な形でご協力下さった皆様には厚く御礼申し上げますと同時に、これからも末永くご支援頂きますよう、よろしくお願い致します。また、会場に足を運んでくださった皆様、本当にありがとうございました。次回のご来場を心からお待ちしています。 それでは皆さん、また2010年の「灯しびとの集い」でお会いしましょう! 灯しびとの集い実行委員会 一同 ■
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by tomoshibito
| 2009-11-05 12:31
| ごあいさつ
「Craft」とは、機械生産に対しての手仕事、と表現される。
元来モノを大量に必要とした時代が来る前には Craftという言葉は無かったのかも知れない。 そのくらい人がモノを作るということは当たり前のことなのです。 当たり前で無くなりかけている時代に、その当たり前のことを生業とし、 人々の暮らしの中に小さな”思い”という明かりを灯す人たちがいます。 彼ら彼女らと触れ合い、モノが持つ物語に耳を傾けることで、 人の暮らしが少し豊かになり、モノに対する価値感も変るのではないでしょうか。 堺という街は日本の工芸を育てた「茶の湯」に縁が深く、 また古くは世界各国から様々な文化が水揚げされた 情報の窓口としての中心地でした。 再びこの場所から、人と人とのつながりをモノや食を通して 関西一円をはじめ全国にも広げて行きたい。 灯しびとの集いはそんな志を持つ人の集まりです。 ■
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by tomoshibito
| 2009-01-17 12:00
| ごあいさつ
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灯しびとの集い
カテゴリ
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ボランティアスタッフを募集しております。 詳細と応募はこちらから⇒ ++++++++++++++++++++++++ 灯しびとの集い実行委員会 tomoshibito@gmail.com http://www.tomoshibito.org 以前の記事
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